ラ・ルーチェ展

Heart Art IN ROME 2011~日伊芸術交流祭~

特別企画展

「ラ・ルーチェ展 ― 現代日本造形の光」

展覧会概要

会場: フォリ・インペリアーリ博物館
    Museo dei Fori Imperiali ? Mercati di Traiano

会期: 第一会期:2011年10月19日(水)~10月23日(日)
    第二会期:2011年10月26日(水)~10月30日(日)
    
キュレーター・プロデューサー: 伊東 順二 (アートプロデューサー・美術評論家・ハートアートコミュニケーション名誉理事長) 

出品作家: 隈研吾・今泉今右衛門・中村信喬・小曽川瑠那

主催: 一般社団法人 Heart Art Communication

後援: 在イタリア日本大使館

協賛: 三協立山ホールディングスグループ・株式会社遊美堂

協力: ローマ市文化遺産局・ヤマトロジスティクス株式会社

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コンセプト

「東方からの光」
伊東 順二

1582年2月10日、春まだ浅い長崎港をイエズス会神父アレッサンドロ・ヴァリニャーノに率いられた4名の少年使節を乗せた帆船が出港した。イエズス会がこの使節団をヨーロッパに派遣する目的は第一にローマ教皇とスペイン・ポルトガル両王に日本宣教の経済的・精神的援助を依頼すること。第二は日本人にヨーロッパのキリスト教世界を見聞・体験させ、帰国後にその文明的背景を少年達自ら語らせることにより、布教に役立てたいということであった。その目的を若い肩に背負った、伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノの4名は陽光きらめく長崎の港を出帆する時に、一体何を思ったのだろうか?
大海原を包む神の光なのか?それとも、新しい日本の姿なのか?
そして、彼らはその人柄と器量、知識の豊かさを認められ、スペイン国王フェリペ2世の推薦で、法王グレゴリオ13世に謁見するという栄誉を賜り、印刷術を始め西洋の多くの知識と技術を持ち帰ることとなった。しかし、帰国した日本にはキリシタン禁教令が施行され、彼らは殉死を含む苦難の道をたどることとなってしまったのである。
それから、400年、鎖国という状況を経過したとはいえ、西洋文化の影響は日本文化の中で融合し、大きな幹を形成している。中でも、安土桃山時代に最終的に成立した美学的伝統を継承する工芸やデザインが現代において、意外なほどの国際性を有し、海外でも高く評価されている原因は400年前に、精神的、技術的に本質的な交流があったがためなのではないか、と私は思う。
今回、「ラ・ルーチェ展」において私たちが願い、また検証したいことは長い間にわたって熟成されたその交流が現代においても機能し、継続されうるか、ということであり、この新しい交流が400年前には果たせなかった成果を創出し、東西を結ぶ光となって、彼らの夢を果たすことなのである。

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